どちらもわたし
6月、さくら組は「そらのした じめんのうえ」という歌をうたっています。歌詞をみなさんにご紹介します。
1 あめあがり さかあがり ぬれたてつぼう
ひるさがり ぶらさがり さかさまのそら
みんなといたり ひとりでいたり たのしかったり さみしかったり
どちらもわたし いつでもわたし そらのした じめんのうえ
2 いしだたみ つまづいて ころんでないた
ともだちと にらめっこ わらいころげた
しゃべっていたり だまっていたり うれしかったり かなしかったり
どちらもわたし いつでもわたし そらのした じめんのうえ
3 さよならと てをふって かどをまがった
みずたまり とびこえて うちにかえろう
いじわるしたり やさしかったり とてもつよくて とてもよわくて
どちらもわたし いつでもわたし そらのした じめんのうえ
この歌の作詞は新沢としひこさんです。新沢さんのつくる歌を子どもたちが歌うと、どの歌もいきいきしてくるのがわかります。きっと、新沢さんは子どもたちの心や気持ちや世界観がよくわかる人で、大人にとっても心に響く言葉を知っている人なのだと思います。
わたしは、上の歌詞で、下線を引いている部分がとても好きです。それは、気持ちが沈んでさびしい時や悲しい時や人にやさしく出来ない時や心が弱ることがわたしたち大人にもあるからです。そして、歌詞にあるように子どもたちにもいろんな気持ちがあります。
そうはわかっていても、ついつい、わたしたち大人は、「子どもはどの子もいつでも元気で明るい存在だ」と思ってしまいがちです。そして、自分の中にある悲しく、さびしく、弱い気持ちを否定してしまいたくなります。でも、子どもたちもわたしたち大人も神様から命を与えられた人間です。子どもも大人も、悲しい気持ちの時もあれば、嬉しい気持ちの時もあります。「強さと弱さ」、この両方があってこそ「人間」であるはずなのです。
今の社会や世界は「強さ」こそが大切だと考えられている風潮があるように感じます。そうした風潮の中で「弱さ」や「弱い人」はどんどん切り捨てられていきます。けれども、本当はわたしも他の人ももっている「弱さ」を大切にすることができたときにこそ、子どもたちやこの世界に生きるひとり一人が輝いて生きていけるようになると思うのです。
そのために、まずわたしたち自身が自分の弱さを受け入れ、向き合える人間を目指して、日々子どもたちに向き合っていきたいものです。
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