園長日記

仲間の中にあってこそ

 

 新年度が始まり、ひと月が経ちました。いつも幼稚園の保育にご協力をいただきありがとうございます。

 こどもたちは、新しいクラスで新しいともだちや先生との出会いに戸惑いながらも、その中で関係を少しずつ育んでいます。朝、年長組のこどもが年少組のこどもに玄関でくつ箱の場所を教えていたり、手を繋いでお部屋まで一緒に行ったりする姿があります。何気ない言葉や振る舞いの中に、関わるということ、誰かに心を伸ばしふれあうことの嬉しさを抱いているように感じます。 一方で、うまくいくときばかりではないこともあります。遊びの中で折り合い がつかないこともあります。たとえば、年下のこどもが積み木の作品をこわしてしまうことがあります。でも、こわされてしまった年上のこどもは「いいよ、いいよ」と言っている姿を見かけました。きっと、悔しさを抱きつつも相手が「まだ 小さいから」ということがよくわかっているのだと思います。同時に、「またこわれても、もう一度作り直せる」という自信もあるので、一緒にいることを受け入れることができたのだとも思いました。年下のこどもたちもそうやって集団で生活するということに気がついていきます。そのような姿の中に、一人ひとりの豊かな成長を見ることができます。

《人には仲間という「川」が必要なのです》(向谷地生良さん)という言葉があります。《川の流れの中で、最初はごつごつした岩のかけらも、こすれ合って、さまざまな形をした触り心地のよい小石になって》いく。ぶつかり合い、こすれ合いはできれば避けたと思うのが正直なところですが、そういった葛藤を経験する中で人は、誰かと共に生きる柔らかさやあたたかさを身につけ、喜ぶことができるようになるのだとこの言葉を通して知らされました。

 リタ幼稚園は、《一人一人「違う存在」であることを大切に》という教育方針 があり、《子どもたちは幼稚園という「集団」の中で、自分とは違う考え方と出 会い、さまざまな刺激を受けて世界を広げていきます。そして、一人ひとりの 「思い」「考え」「力」を発揮し、織り交ぜながら新たなものが創り出されていくことを体験し、仲間と歩む楽しさや嬉しさを感じていきます。人は、一人ではなく、仲間の中にあってこそ自分らしさが発揮される》と考えて保育を進めています。

 新型コロナウイルスの感染拡大の中でどうしても関わり合う時間が少なくなってしまいます。さまざまな制限もありますが、その中でもこどもたちが関わり合い持ち、安心できる「仲間という川」の中で豊かに成長していくことができるように励んでいきたいと思います。そのために、皆さまのご協力をお願いすること もありますが、何卒よろしくお願いいたします。

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コーナーあそび

 

 リタ幼稚園では「コーナー遊び」を取り入れています。空間を「コーナー」に区切って、おもちゃなどを設置し遊びの環境を整えています。

「積み木コーナー」「おままごとコーナー」「絵本コーナー」「一人遊びコーナー」などです。それぞれをついたてや棚、テーブルで区切ってコーナーを作り出します。

 このコーナーで空間を区切ることで何が起こるかというと「その場所が何をして遊ぶ場所なのか」ということが明確になるのです。遊びの場所が明確になると、一人ひとりが遊びを見つけやすくなり、集中して遊び込むことにつながります。

 ある日、職員室にいると幼稚園の中がとても静かに感じました。各クラスが外遊びに出ているんだな、と思いました。何気なく廊下を歩いていると、年少組のこどもたちはお部屋の中で遊んでいたのでした。落ち着いた声で楽しそうに友達とやり取りをしながら遊び込む姿があり、静けさは集中して遊び込んでいるゆえのものでした。様子を見ているとお部屋に設定された各コーナー集まり、やってみたい遊びを見つけて楽しそうにしていました。

 私はその姿を写真におさめようとカメラを構えてお部屋に入りました。私はてっきり「あ、ともひろせんせいだ~!」「何しているの~?」とこどもたちが駆け寄ってくるかなと思っていたのですが、だれも私に見向きもしません。何人かは私に気づいて「チラッ」とこちらを向くのですが、すぐに視線を落として遊びに戻ります。

 私がお部屋にいても気にならないくらいに集中して遊び込んでいたのです。リタ幼稚園では遊びを通して、こどもたちがやってみたいことを選び取る力や、やってみようと決めたことに集中して取り組んでいく力が育まれることを信じ歩んでいますが、この日のこども達の姿から、遊びを通してそういった一人ひとりの豊かな心と生きる力が育まれていることを感じたのです。

 幼稚園にお越しになった際は、お部屋の各コーナーの様子も是非ご覧になっていただければ幸いです。

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