園長日記

今日が大切な一日であることを

 

円山公園に園外保育に出かけました。晴天に恵まれて、思う存分楽しい時間を過ごすことができました。また、円山公園に行くにあたって「公園でたくさんの自然と触れ合い親しみ、秋を感じてほしい」と思い、そのために公園に行く前に、クラスではトンボやどんぐり、お花などの写真を見ながらイメージと楽しみな気持ちを膨らませたりもしました。
公園ではたくさんのどんぐりや松ぼっくり、栗の実を見つけて嬉しそうな笑顔がこぼれました。「この木がどんぐりの木だよ」とちゅうりっぷ組の子どもに、言葉をかけているさくら組の子どもの姿を見られました。
木の実だけではなく、昆虫も大人気です。幼稚園の園庭ではなかなかお目にかかれない大きさのバッタをつかまえて大興奮です。
でも、幼稚園に帰る時にはつかまえた生き物を公園に返すお約束でした。一生懸命に追いかけて、つかまえた生き物を「連れて帰りたい!」と先生に交渉している子どもがいました。先生はつかまえることのできた喜びと、放さなくてはいけない悔しさを受け止めながら「このバッタさんのお家は円山公園だから、お家に帰してあげよう。連れて帰ることはできないけれど、写真に撮って幼稚園のお部屋に飾ろう」と子どもたちとお話をしていました。
虫かごから放すとき、子どもたちはきっと悔しかっただろうし、悲しかったことでしょう。でも、一人ひとり、それぞれに納得したり、気持ちを少しずつ切り替えながら、ちいさないのちとの別れを惜しんでいました。
私はその姿をみて、きっとこの日はこの子どもたちにとって、忘れられない一日になったのではないかと感じました。残念ながら、何事にも限りがあり、終わりがあります。それはとても辛いことですし、寂しいことです。でも、限りがあるからこそ、私たちはその瞬間を大切にすることができるのではないでしょうか。
終わりがあると知っているからこそ、その出会いや、いのちは尊いのではないでしょうか。
そして、子どもたちを含めた私たちにとっての一日一日がかけがえのない、大切な日だということを、あのとき、別れを惜しんで、葛藤した思い出をとおして気がついていくのではないかと思います。

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